年少児の算数
2011年 06月 09日
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遊びの発展 『お買い物』
以前の記事で、お買い物遊びをご紹介したことがありました。
その時は、未就園児のクラスの内容でした。
今日は『年少児のひろば』のお買い物遊びの写真が撮れたので
少しご紹介いたしましょう。
お金は紙で作ったドングリ。・・・これは以前と同じです。
お財布や店内用のプラのカゴも用意していますよ。
未就園児の時には、欲しい品物1点をどんぐり1個と交換するのも
たどたどしい感じのあった子ども達でした。
でも、幼稚園に入り、生活の幅も広がりました。
同じように見える遊びでも
少しずつ難易度があがっていきます。
今までだったら好きなだけかごに入れて
支払いはなんともインチキくさいのもアリ、というものでした。
この日は、これまでとは違いました。
品物には、スプーン、これは 1ドングリで買えます。
水玉模様のお手玉、これは 2ドングリ。
鈴のついたお手玉は 3ドングリ。
このように『値段』が決まっていますよ、というルールにしてみました。
「物には何円、っていうふうに値段が決まっているね。
安い、高い、っていうの聞いたことある?」
スーパーのチラシを見ながらそんなことを話しました。
アル、アル~の声。
「たっか~(高い)って、ママが言ってた。」
・・・あ、そう。(笑)
この日は子ども達には6個のドングリの入った財布を渡しました。
「6ドングリ。」
「6個のドングリがあったら、スプーンだったら何個買える?」(答え 6個(本))
「6個のドングリがあったら、水玉のお手玉は何個買える?」(答え 3個)
「6個のドングリがあったら、鈴付きのお手玉は何個買える?」(答え 2個)
こんな問題を作業を通して考えることのできるようにしてみました。
子ども達には、さあ問題です、というふうではなく、
作業というか、お仕事をするようにやってもらいました。
あれ、持っているお金は同じなのに、品物によって買える数が違うね。
なんとなくそのことに気付いた子は、
「もっとお金があればいいのに・・・。」などと、つぶやきます。
お金があっても買える割合は変わりませんがね。
もっと買いたかったのね。
こういう感覚が『お手玉のほうがスプーンより高い』、
ということをちょっぴり気付かせてくれます。
さて、どんぐりひろばでは絵本の読み聞かせをしていますが、
決して読後に『問題』を出したりはしません。
子ども自身の読みを楽しんでほしいから。
その不十分さを補うために月ごとに同じお話を繰り返し読み、
本読みの楽しさをみんなで共有します。
すると、わかっているのに訪れる次のシーンが楽しみでたまらなかったりします。
そして、より深い気付きがポロリっと口をついてこぼれたりします。
とても素敵な瞬間です。その子だけのオリジナルな感想。
これに似たことで、算数であり生活でもある『お買い物遊び』も
「たかが遊び」のようではありますが、
繰り返す中で感じる「数の感覚」に出会ったりします。
「お手玉の方が安いのね。」
などのつぶやきが自然と聞かれます。
えっと・・・安いのはスプーンの方なんだけどなあ・・・。
そういう意味では不正解。
でも、そういう感覚が「初めてあそんだこの時」に正解にたどり着かなくてもいいんですよ。
こんな課題を通して、指導者の方では、
個々の子どもが何がどこまでわかっているか、
わかっていないかを把握をしていきます。
次のお買いものあそびはこの状況に応じて
課題の難易度を変えたり、発展させたりしていきます。
無理をしないでちょっとだけ先の課題に挑戦する、
時間のむだのように思わないで繰り返して行う機会を作る、
そういうことが幼児期には必要です。
今日、できなかった内容に大人がカリカリするのはよくないです。
できなかったことの中には次につながるヒントが満載です。
そのヒントが見つかる瞬間をお母さんも教室で見届けられるのは「チャンス」なんです。
そうとわかればしめたもので、ぜひ生活の中で発展させていってくださいね。
お母さんが一緒のこの教室。
その意味はこういうところにもあるのです。
さてさて、6個のドングリはどのようにお買い物の品物に変わったでしょうか。
ある子は、 「スプーン 1本、水玉お手玉1個、鈴付きお手玉1個」お買い上げでした。
毎度あり~。
「いろんな買い方が他にもあるね」、
ということには今回は気付けませんでしたね。
でも
「先生、お金が足りないよ。次はもっとね。」
と要求がありましたから、次回は10ドングリに増やす約束をしましたよ。
お金があればもっと買えるンですって。その通りですわ。
そうね、何個も買いたかったのに、
「お客さん、すみません、これでは無理です~。」って
お店屋さん(私)から言われましたものね。
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